忘れなそ、ふるさとの山河 〜郷土史編〜

地方の精神と国のかたち、都市は地方の接ぎ木である。

“豊後のロレンス”のブログを訪問頂きありがとうございます。 望郷の念止み難く、豊後及び佐伯地方の郷土史研究と銘打って日々の想いを綴っております。たまには別館ブログ(リンク先)でcoffee breakしてみて下さい。読者になって頂ければ励みになります。

裸もまんざら悪くない 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(16)

裸にするのが好きである。女性のことではない。もっとも、嫌いという訳でもない。 物事の事である。ここは豊後佐伯地方の地形や地質を裸にする。すでに我が豊後の地勢については書いた(地勢と生活文化)。我が佐伯地方は付加体で成っていた。これが纏ってい…

豊後恨み節 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(15)

そう言いたい訳がある。豊後は何故にかように小国分立の他国の耳目を集めることの無い地域になってしまったのか。 江戸時代の豊後の各大名領地 いざという時にこの国を動かす出力を備え得る国でいたか否かという事である。幕末の長州や薩摩や会津や長岡や、…

紀州・海人族と鯨の行跡 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(14)

紀伊地方は豊後海部郡と同じ海人族を遠祖に持つ。かつて海部郡を置いた。この海人族は瀬戸内や阿波との関係が深い。その海部郡の南方に牟婁郡がありこの一帯を熊野地方という。無論、同じ海人族の地である。ただ、この熊野地方の目の前の海は同じ海人族が辿…

独歩が呻く、佐伯で吼える 日々雑感

国木田独歩、何とも熱くて性急で面倒臭くて側に居たくない男である。 独歩は、矢野龍渓(経国美談作者、佐伯市出身)より徳富蘇峰(国民新聞主宰)に打診があり、その推薦により佐伯に来た。独歩は、私学鶴谷学館(旧佐伯藩主毛利家が郷党の子弟の為に設立)…

豊国(からくに)と韓国(からくに)のからくり 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(13)

豊国(とよのくに)は律令制以前にあった国名であるが、これを旧訓では”からくに”と呼ぶとの話がある。要は韓国(からくに)と豊国(豊前、豊後)の因縁浅からず、ということなのである。その事実を見てみた。 まあ、九州北部は、朝鮮半島の生活文化をcopy &…

政略結婚の是非 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(12)

戦国時代、大友氏の麾下にあって、我が佐伯氏も大した策略家であったかもしれない。 政略結婚、一見、特に女性にとっては嫌な言葉に違いない。だが今の世にも、安心、安全の機能として息づいているのではないか、と思わぬでもないのである。利害が念頭にある…

佐伯の殿様、本で持つ(佐伯文庫の功罪)

偶には中世を離れて江戸期を覗く。寛政期、我が豊後佐伯藩にとんでもない藩主が出た。 高々二万石の片田舎の外様大名である。その二万石が結果的ではあるが、加賀百万石の向こうを張った。喧嘩ではない。書物の蒐集である。蔵書数の異常な多さである。江戸期…