忘れなそ、ふるさとの山河 〜郷土史編〜

地方の精神と国のかたち、都市は地方の接ぎ木である。

“豊後のロレンス”のブログを訪問頂きありがとうございます。 望郷の念止み難く、豊後及び佐伯地方の郷土史研究と銘打って日々の想いを綴っております。たまには別館ブログ(リンク先)でcoffee breakしてみて下さい。読者になって頂ければ励みになります。

民俗のアジール Y2-02

あの山の向こうが目指すべきサンクチュアリ、我が一族のアジールである。 この山を越えてこの川を遡り、 こここそがその地である。 サンクチュアリ、アジール、という概念は西欧由来だが、一般的に前者は”聖域”、後者は”避難所”と訳される。本来同じ意味合い…

豊後と万葉歌と白水郎と Y2-01

豊後佐伯湾に浮かぶ大入島を訪問した時に初めてその歌を知った。お恥ずかしい限りである。その歌碑が島の北東海上の岩礁の上にある。ここに来て万葉の人々へ思いを馳せる人もいるのだろうか、いるとすれば、どういう人なのだろうと気になってくる。 万葉集の…

ひととせを想う

一年はまさにあっという間に過ぎ去ってしまった。歳を重ねるに比例して時はそのスピードを増すと言うのはどうやら真実のようである。職業人であっても自由人であってもそれは変わりがない。それでも出来ることならこれに抗いたい。自分だけはそのように安易…

そうだ、旅に出よう 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(47)

コロナ禍で気持ちよく旅行も出来ない。ここは江戸時代、豊後日出藩からの庶民の伊勢参宮日記を見ながら江戸期の旅に暫し思いを馳せてみたい。当時の庶民の最大の楽しみは伊勢参りである。伊勢参りを口実の上方への物見遊山でもある。時期は農閑期となる冬季…

大入島物語 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(46)

“くるすばで迷走”では、結局、我が柴田姓のルーツを辿る事が出来なかった。ところが見るに見かねてか貴重な情報が届いた。送り主は高校の後輩で実家は柴田姓というから俄然やる気再燃である。 戦国から江戸初期であろうか大入島の片神浦に柴田三兄弟が落ちて…

ロシアより愛を込めて(続編)

昨年、別館ブログに”ロシアより愛を込めて”を投稿したが、ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにしてそんな呑気な話ではなくなってしまった。ロシアは昔から好きな国であっただけに猶更に心穏やかでない。愛すべき国であることに今も変わりはないが、そのリ…

"くるすば”で迷走 完結編 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(45)

奥州の古代史を概観すると下図の通りとなる。安倍氏、清原氏、藤原氏が朝廷と鎌倉幕府に滅ぼされた。高橋克彦の奥州三部作を読めばその哀感漂う滅びの歴史ドラマが切々と胸に迫って来る。お薦めである。 さて、柴田郡柴田氏の遥か筑前国への移住の理由を探ら…