忘れなそ、ふるさとの山河 〜郷土史編〜

地方の精神と国のかたち、都市は地方の接ぎ木である。

“豊後のロレンス”のブログを訪問頂きありがとうございます。 望郷の念止み難く、豊後及び佐伯地方の郷土史研究と銘打って日々の想いを綴っております。たまには別館ブログ(リンク先)でcoffee breakしてみて下さい。読者になって頂ければ励みになります。

家老はつらいよ Y2-06

いつの世も部下と上司の関係は面倒なものである。武家の世であってもそうは違いがないのではなかろうか。江戸期各藩の経営(責任者)は名目的には藩主という事になろうが実質的には家老が担って来た。それでも明治維新で幕藩体制が終了するまで270年間、今で…

鎌倉で想ったこと

東京方面から鎌倉に入るには通称金沢街道を使う。意外に勾配もありカーブの多い峠道である。1956年に開通した。近くの”朝比奈切通し”のある昔の六浦道に重なる。こちらは1241年に開通した。材木座海岸の和賀江島港の外港であった金沢(区)の六浦津に繋ぐ為…

城山と豊後佐伯城 Y2-05

「秋の半ば過ぎ、余は紅葉狩りせんとて城山の頂に登り、落葉蕭々の間、しばしば耳を澄まして風の行方を追ひ、我知らず古跡一種の寂寞に融け、行々楽しみたり。 三十年の昔は、ここに封建の古城立ちぬ。城市の民は月と日とを灘山の肩に迎へて、これを古城の背…

存城と廃城(豊後佐伯城サグラダ・プロジェクト考) Y2-04

前回、”廃仏毀釈”により貴重な文化財が破壊されたことを書いた。今回は同じ明治政府による”城郭取壊令(廃城令)”を見る。 今やどの地域においても城の欠片でも残っていれば貴重な観光資源となり文化財となる。その建築遺構が現存でもしていればもう大変な騒…

神様仏様 Y2-03

中国の文化大革命(1966年から10年間続いた)は中国五千年の貴重な文化財を悉く破壊してしまった。革命とはかくも下劣な事をする。それだけならまだしも文革による犠牲者(死者)は40万人あるいは2千万人は下らないとまで言われる。毛沢東の政治的意図を盲信…

故郷忘じ難く

老母が独居する実家に二ヶ月ほど生活した。何しろ僻地である。この間、インターネット接続が断たれた。Facebookを通じて何とか社会との接点は確保出来たが、それも不要なほどに故郷の日々は濃密で人と食と風土は機微に富んだ。 後輩曰く、”僻地は宝の山と海”…

フィトンチッドの森

豊後佐伯地方の山々の多くは決して高山ではないが、肌が綺麗で絨毯のように柔らかく深々とした森林に覆われている。 森に入ると心身が癒される効果がある。かつて森林浴ブームが起こり、そこでヨガや瞑想を行えば更に効果が増加すると言われた。このことは科…