忘れなそ、ふるさとの山河 〜郷土史編〜

地方の精神と国のかたち、都市は地方の接ぎ木である。

“豊後のロレンス”のブログを訪問頂きありがとうございます。 望郷の念止み難く、豊後及び佐伯地方の郷土史研究と銘打って日々の想いを綴っております。たまには別館ブログ(リンク先)でcoffee breakしてみて下さい。読者になって頂ければ励みになります。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

佐伯国へ陸行水行すること遥かなり(文人墨客来たれ:続編) 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(36)

中世あるいは江戸期における移動手段は、”陸行”であれば徒歩、”水行”であれば風待ちの帆船である。豊後は山の多い国であるが、特に佐伯地方は殆ど山岳地帯と言っていい。何処に行くにも幾つかの峠越えは避け難い。一方、古来、陸行より水行の方が便利この上…

文人墨客来たれ、されど佐伯は遠し 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(35)

豊後佐伯地方は人や物流の要路から遠く離れ、極めて僻地性の高い地である。すべて地勢の閉塞性による。ただ、海上だけは、唯一、外界への開放空間であった。この特異な地への歴史的著名人の往来の中に何か新たな発見でもないものか考えてみた。 まずは古代か…

歌合に見る中世の生業(なりわい) 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(34)

中世は、都市が勃興し、銭が流通し、交通網が整備され、商品経済が発達し、庶民生活が活況を呈した時代でもあった。その諸相を庶民の生業(なりわい)から窺うことが出来る。これを対象にした貴族社会の歌人達による歌合が伝わっている。七十一番職人歌合(…