忘れなそ、ふるさとの山河 〜郷土史編〜

地方の精神と国のかたち、都市は地方の接ぎ木である。

“豊後のロレンス”のブログを訪問頂きありがとうございます。 望郷の念止み難く、豊後及び佐伯地方の郷土史研究と銘打って日々の想いを綴っております。たまには別館ブログ(リンク先)でcoffee breakしてみて下さい。読者になって頂ければ励みになります。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

折れず、曲がらず、斬りやすい 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(28)

日本刀の事である。 大雑把に、西欧刀や中国刀が、直刀、両刃、片手握りで、“突き、叩き斬り“を専らにするのに対して、日本刀は、反り刀、片刃、両手握りで、”引き斬り“を専らとする。戦い方(騎馬、徒歩)や火器導入の早い遅い(刀の衰退)がその形状や開発…

ミトコンドリア・イブとシンデレラ譚 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(27)

ミトコンドリア・イブ(想像図)とその遺伝子の伝播ルート(時間軸) 日本の説話・昔話は、平安末期の「今昔物語」、鎌倉初期の「宇治拾遺物語」が双璧である。日本のみならず、インド、中国にも採話している。これらを含む説話集の多くは古くより日本全国に…

豊後磨崖仏新説 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(26)

日本の磨崖仏の約八割は豊後(大分県)にある。何故なのかは分かっていない。一般説では、古くから仏教文化が栄え、加工し易い凝灰岩が広く露出していたのが理由、としている。 岩山や断崖を穿ち彫る、という仏教遺跡としての石窟(寺院)と磨崖仏とでは歴史…

帰りたい夏、帰れない夏

八月は人々にとっては色々な意味でもっとも熱い月だが、反面、寂しい月でもある。ここは新暦の八月葉月の事である。盆には親類縁者が集いご先祖様も帰ってくる。だがこの時期を境に人々の心情は暑い気運から寂しい気運へと転じていく。人々やご先祖様が帰っ…

プレスター・ジョン(Prester John)と天徳寺 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(25)

12世紀、西欧では何度も十字軍を発出しているが聖地イスラエルの奪還が中々うまくいかない。それがあってか、東方にキリスト教国を建てた王がいてイスラム勢力を攻め立ててくれている、との噂が流布した。この王がプレスター・ジョンである(無論、伝説の類…

宗派の分布に見る仏教の実態(続編) 中世豊後及び海部郡・郷土史研究用資料(24)

おおいた遺産・龍岩寺(岩窟に浮かぶ仏) 最近、仏教の事が頭を離れない。信仰についてではない、各宗派の分布の実態についてである。我が豊後海部郡・佐伯地方に臨済宗(禅宗)寺院の比率が豊後で最も高いのは何故なんだろうと疑問を持った事に端を発する。…